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花見山周辺の美しい景観について

花見山公園について

 「花見山公園」とその周辺の美しい景観は、福島市渡利地区の花木生産農家の集落による色とりどりの花木畑や清らかな小川、素朴な里の原風景で織りなされています。

 その美しさから、写真家の故・秋山庄太郎氏が「福島に桃源郷あり」と称えて全国に紹介し、福島市が全国に誇る花の名所として知られるようになりました。

 「花見山公園」は、昭和10年ごろから初代園主・阿部伊勢次郎氏と長男の二代・一郎氏が阿部家で所有する山の開墾を始め、出荷用の花卉(かき)生産のためにウメやサクラなどの様々な花木を植えたことから始まります。

 父子二代で山を切り開いて丹精を込めて木を植え続け、やがてかつての雑木林は色とりどりの花の山に。「この美しい花々を多くの人に見てもらいたい」との思いから、花木畑に散策路を整備し、昭和34年に「花見山公園」と名づけて一般への開放を始めました。以来、今日まで50年以上にわたり福島市民をはじめ、県外から多くの人が花を愛でるために来訪するようになりました。

 約5haの花木畑には、70年以上の歳月をかけロウバイ、ハクバイ、コウバイ、サンシュユ、マンサク、レンギョウ、ヒガンザクラ、トウカイザクラ、ソメイヨシノ、ハナモモ、ボケ等々、たくさんの種類の花木が栽培され、4月の最盛期には色とりどりの花々がいっせいに咲き競います。

 山の標高は約180m。山頂にはあづまやがあり、周辺に点在する花卉農家の花木畑の風景と福島市街地、遠くは吾妻連峰を望むことができます。花々がいっせいに咲き誇る4月には、福島の春の風物詩「吾妻の雪うさぎ」の雪型が吾妻小富士の山腹にくっきり現れます。

 昭和54年に写真家・故秋山庄太郎氏が花見山を訪れ、「福島に桃源郷あり」と称えて全国に紹介し、「花見山」の名が多くの人に知られるようになりました。秋山氏は以来毎年のように撮影に訪れ、阿部一郎氏と交流を続けました。

「花見山公園」とその周辺農家の花木畑による景観

花見山の写真 吾妻・安達太良連峰、阿武隈山地などの山々に囲まれ、寒暖の差が大きい気候である福島(信達地方)は、江戸時代から国内有数の養蚕業の中心地として栄えてきました。

 「花見山公園」がある渡利地区ももともとは山の斜面を利用した養蚕地帯でした。昭和初期の世界恐慌により、生糸の価格が暴落して昭和恐慌が始まると、養蚕農家は次第に花木生産へ事業転換。渡利地区では雑木林を開墾していきながら、山の斜面に木々を植え、周辺は次第に色とりどりの花の谷となり、今に至る美しい景観が形成されました。

 花見山周辺の景色は、地区の十数軒の花木生産農家の集落により、もとはいわば「見せるため」につくられたのではなく、「生活のため」につくられた景観なのです。

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